
中小企業のAI活用、導入にも役立つ最新情報をお届け!
トピック① 🏛️ 日本初の「AI促進法」が成立 – 安全なAI活用を後押し
政府がAI開発と利活用を促進する初の法律を制定。
先月末、日本で初めて人工知能(AI)に関する包括的な法律が成立しました。正式名称は「人工知能(AI)関連技術の研究開発及び活用の促進に関する法律」で、AIの研究開発・社会実装を後押ししつつ、その悪用リスクにも対処することを目的としています。政府はこの新法により、AIを「経済・社会発展の基盤となる重要技術」と位置付け、国内のイノベーションを支援する姿勢を鮮明にしました。
規制より支援を重視、柔軟なガバナンス。
このAI促進法には罰則規定がなく、欧州のような厳格な取り締まりよりも「まずは育成」を優先している点が特徴です。具体的には、企業がAIを不適切に利用している場合に政府が助言や指導を行えるようにし、悪質なケースでは社名公表などで注意喚起する権限も盛り込まれました。また個人情報保護法や著作権法といった既存の法律で対処可能な部分はそれらに委ねるなど、新たな規制を拡大しすぎず現行制度でカバーするアプローチを取っています。これは「まずは企業と政府の協調でAI利活用の土台を作ろう」という考え方に基づくものです。
ガイドライン策定や戦略本部を新設へ。
新法の施行に伴い、政府内にAI戦略本部が設置され、今後企業が参考にできるAI利用の指針(ガイドライン)が策定される予定です。例えば生成AIの開発・利用時の透明性確保策や、著作権侵害・個人情報漏洩といったリスクへの対応指針が示される見込みです。実際、国会審議の中で深刻な懸念として挙げられたディープフェイク(AIによる偽造画像・動画)や不適切な有害コンテンツへの対策についても、付帯決議で「一層の保護策を講じること」が求められました。こうしたガイドラインは今後の企業活動の指標となるため、中小企業も動向に注目です。
⇒ 解説: ビジネス現場にとって、政府がAI活用を前向きに支援する姿勢を示した意味は大きいでしょう。厳しい規制に縛られる心配がひとまず少なく、安心してAI導入に踏み出しやすくなります。また今後策定されるガイドラインによって「何がOKで何がNGか」**が明確になれば、中小企業でもコンプライアンスに配慮しつつAIを活用しやすくなります。政府の後押しを追い風に、自社の業務やサービスにAIを取り入れるチャンスと言えそうです。🚀
トピック② 💼 生成AIで業務効率化 – 三菱UFJ銀行やセブン‐イレブンの成功例
大手企業が生成AI活用で驚きの効果。
日本企業でもAI活用による生産性向上が具体的な数字となって表れ始めました。その代表例として挙げられているのが、三菱UFJ銀行とセブン・イレブン・ジャパンです。
- 三菱UFJ銀行のケース:
行内業務にChatGPTなど生成AIを導入し、社内文書の作成・要約や情報検索を自動化したところ、月あたり約22万時間もの業務時間削減が見込まれると発表されています。22万時間というと社員一人ひとりに換算すればかなりの作業量ですが、これをAIに肩代わりさせることで、従業員はより付加価値の高い顧客対応や企画業務に時間を充てられるようになります。同銀行では実際に融資関連の契約書作成をAIで自動化したり、社内規定の照会にAIチャットボットを使うなど、「人がやらなくても良い仕事」はAIに任せる取り組みが進んでいます。 - セブンイレブンのケース:
小売業界でもAIが力を発揮し始めています。コンビニ大手のセブン‐イレブンでは、新商品の企画業務に生成AIを活用することで、企画立案から店頭に並ぶまでに従来約10ヶ月かかっていた開発期間を最短1ヶ月程度(つまり従来の10分の1!)に短縮する計画です。販売データやSNSのトレンド情報をAIが分析し、「ヒットしそうな商品」のアイデアを素早く提案できるようになるため、これまで何度も会議を重ねていたプロセスが劇的に効率化されます。今年度から管理職を中心にAI活用を試行し、将来的には社内全体でアイデア創出にAIを取り入れる方針とのことです。
現場での効果と今後の展望。
これらの例が示すように、生成AIは事務作業の効率化から商品開発のスピードアップまで幅広い業務改善につながります。数十万時間の削減や開発期間1/10といったインパクトのある数字は、多くのメディアで話題になりました。「AI活用=コスト削減・生産性向上」が現実のものとなりつつある証拠と言えます。今後、大企業のみならず中堅・中小企業でも、例えば社内文章作成の自動化や顧客データ分析へのAI活用など、規模に応じた形で効果を上げる事例が増えていくでしょう。重要なのは、これら成功例に学びつつ、自社ではどの業務にAIを使えば効果が高いかを見極めることです。💡
その他国内ニュース
政策・法制度関連
- AI新法が6月4日に公布
2025年6月4日、日本政府は「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(AI新法)を公布しました。この法律は、AIの研究開発・利活用を適正に推進することを目的とし、内閣にAI戦略本部を設置、AI基本計画の策定などを定めています。 - デジタル庁が政府AI採用の統一フレームワークを確立
2025年5月27日、デジタル庁は「行政の進化・イノベーションのための生成AIの調達・利活用ガイドライン」を承認し、全中央省庁にわたる政府AI採用の統一フレームワークを確立しました。最も革新的な点は、「AI学習における機密情報の使用」を可能にしたことです。
企業・産業関連
- JR東日本が「鉄道版生成AI」を信号通信設備に導入
2025年6月10日、JR東日本は国内で初めて新幹線および首都圏の在来線の信号通信設備復旧支援システムに生成AIを導入すると発表しました。復旧までの時間を従来比で最大50%削減することを目指しています。 - 経済産業省が「モビリティDX戦略」をアップデート
2025年6月9日、経済産業省は「モビリティDX戦略」をアップデートし、新たなAI技術を活用した自動運転モデル等の開発促進を打ち出しました。 - 「生成AI大賞2025」開催決定
Generative AI Japanが日経ビジネスと共同で「生成AI大賞2025」を開催することを6月9日に発表しました。7月より日本国内の団体を対象にエントリーの受付を開始し、12月11日に最終審査会および授賞式を開催予定です。
その他海外ニュース
企業投資・買収関連
- Meta、Scale AIに148億ドルの大型投資
2025年6月13日、Metaは AI データラベリング企業のScale AIに約148億ドルを投資すると発表しました。この投資によりScale AIの企業価値は290億ドルとなり、Scale AIのCEOであるAlexandr Wang氏がMetaの新設される「Superintelligence」部門を率いることになります。 - OpenAI、オープンソースAIモデルの発表を夏まで延期
2025年6月10日、OpenAIのSam Altman CEOは、当初6月に予定していたオープンソースAIモデルの発表を夏まで延期すると発表しました。研究チームが予想外の素晴らしい成果を上げたとして、追加の開発時間が必要と説明しています。
技術・製品開発
- ChatGPTの大幅アップデート
2025年6月13日、OpenAIはChatGPTの検索機能を大幅に改善し、より包括的で最新の回答を提供すると発表しました。複雑な質問に対して自動的に複数の検索を実行し、アップロードした画像を使った検索も可能になりました。 - Google Veo 3の衝撃的な動画生成能力
GoogleのAI動画生成モデル「Veo 3」が5月20日のGoogle I/O 2025で発表され、8秒間の極めてリアルな動画生成が可能になりました。音声や対話も同時に生成でき、一般の人には本物と区別がつかないレベルに達しています。 - Mistral AI、初の推論モデル「Magistral」を発表
2025年6月10日、フランスのMistral AIは初の推論モデル「Magistral」を発表し、中国のDeepSeekのR1モデルに対抗しました。オープンソース版の「Magistral Small」と企業向けの「Magistral Medium」の2つのバリアントが提供されます。
投資・市場動向
- 生成AI市場が2025年に6,440億ドル規模に成長
Gartnerの予測によると、2025年の生成AI市場は前年比76.4%増の6,440億ドルに達する見込みです。この成長を受けて、データインフラ関連のM&A活動が活発化しています。 - Nvidia、ヨーロッパで20のAI工場建設を計画
2025年6月13日、Nvidia CEOのJensen Huang氏は、今後数年間でヨーロッパに少なくとも20のAI工場を建設する計画を発表しました。このうち5つは大規模な「ギガファクトリー」規模の施設となります。
規制・政策関連
- EU AI法の実施が遅延
2025年6月時点で、EU AI法の重要な構成要素である汎用AI向けの実践規範(Code of Practice)の公表が遅れており、当初の5月2日から8月2日まで延期されました。 - 米国州レベルでのAI規制が拡大
2025年6月現在、米国の半数以上の州が少なくとも1つのAI・アルゴリズム説明責任法を制定しており、48州とプエルトリコがAI関連法案を導入しています。 - 中国DeepSeek、R1モデルをアップデート
2025年5月29日、中国のDeepSeekは、今年初めに米国株式市場に衝撃を与えたR1推論モデルのアップデート版「R1-0528」をリリースしました。 - UNESCO、AI倫理に関するグローバルフォーラムを6月に開催
2025年6月24日から27日まで、タイのバンコクで第3回UNESCO AI倫理グローバルフォーラムが開催されます。人権、ジェンダー平等、持続可能性におけるAIの影響について議論されます。
まとめ 💡
直近のニュースを振り返ると、AIは「実験段階」から「実用段階」へ本格的に移行しつつあることが感じられます。政府が法律や計画で環境整備を進め、大企業が実証した効率化の成果を示し、ツールも日々進歩している現在、もはや「AIなんてうちには関係ない」と言っていられない状況かもしれません。特に日本は国を挙げてAIを活用した経済成長を目指しています。これは、中小企業にとっても業務改善や新サービス創出の大きなチャンスとなるでしょう。
もっとも、「焦って飛び乗る必要はありません」。大切なのは自社のペースで、適切な範囲からAI活用を始めてみることです。例えば、まずは社内の定型業務で試験的にAIツールを使ってみる、スタッフ向けにAI研修を受けてみる、といった小さな一歩からスタートしてみてはいかがでしょうか。先行事例が示すように、いきなり全てを自前開発する必要はなく、使えるものは上手に取り入れることで十分効果は得られます。幸い、日本では行政の支援策や補助金、民間の研修サービスなども充実し始めています。これらも活用しながら、自社に合った形でAIを取り入れていけば、大企業だけでなく中小企業でも「AIの恩恵」を実感できる場面がきっと増えてくるでしょう。🚀✨
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